新型PCXの純正LEDヘッドライトを分解してみました
新型PCXや来年マイナーチェンジするT-MAX530など、新型車で純正採用が増えてきたLEDヘッドライト。
レクサスのLEDヘッドライトなどは部品としてオークションで売買されているのを見て、ある程度構造を知っていましたが
バイク用の純正LEDヘッドライトの構造がどんなものなのか、以前から気になっていました。
そこで新型PCXのLEDヘッドライトを入手。
私だけかもしれませんが、新型PCXのLEDヘッドライトを見ているとナマズやクジラのような印象を受けます。
もったいない気がしつつも、思い切って分解しました。
リフレクターのセンターの部分がハイビーム、左右がロービームになっています。
LEDはリフレクター上部に下向きに配置されています。
ウインカー部
白色LEDと同じ黄色蛍光体を組み合わせた明るさを引き出しやすいアンバーLEDが使用されています。
このタイプは日中でも十分な明るさを確保できるのはいいですが、意外と蛍光体の黄色が目立って完全なクリアな外観にならないのがちょっと残念な気もします。
でもこれからの純正採用のタイプはみなこの方式のLEDになるでしょう。
そして、気になるヘッドライト部分。
リフレクターにネジで固定されていたので、ネジを外します。
お目見えしました。
分解する前は奥まっていてあまりよく見えなかったのですが、こんな小さなLEDを使っているとは思いませんでした!
そしてLED用の放熱器らしいものが見当たりません!
パッと見はアルミ基板でもなく至って普通のガラスエポキシ基板に見えるのですが、断面を見ると薄い金属の層が見えたので、放熱製の良い基板が使われているのかも。
LED同士の距離もかなり離れてますし、冷却ファンはもちろんアルミ製のヒートシンクを使わずとも、十分放熱できるということですね。
ちなみにこのヘッドライトはスタンレー製なので、LED素子もスタンレーの物だと思っていたのですが、調べたところ同社のLEDではありませんでした。
こちらはポジション部分のLED
なんと、ポジションとヘッドライトのLEDは同じ規格でした!
新型PCXのポジションはライン状の導光方式のわりにとても明るく感じていましたが、まさかヘッドライトとポジションのLEDが同じとは。
実はこのポジション部分のLEDを交換して色変えができたら面白いかなと思っていたのですが、このLEDは手作業では取り外しや取り付けができないタイプだったので断念。
他に方法はあるのですが、ちょっと面倒ですね。
市販の交換式のLEDヘッドライトは消費電力が15〜20Wや35Wの物が一般的ですが、気になる消費電力は・・・
ライト裏面に刻印がありました。
FT 13.5V 4.8W(ウインカー片側分で約4.8W)
FP 13.5V 3.4W×2 (ポジションランプ片側分で約3.4Wでした)
PASSING BEAM 12V 5.4W(ハイビーム)
DRIVING BEAM 12V 5.4W(ロービーム4LEDで約5.4W) +6V 4.2W(アイドリングストップ用?)
サービスマニュアルの配線図を取り寄せたところ、LEDのコントロール用ユニットが車両側にあり、点灯制御はそちらでされるようです。
リフレクターやヘッドライトの構造をLEDに合わせて最適化すれば、これだけシンプルな構造で実用レベルの明るさを確保できるという事ですね。
いやはやとても勉強になりました。
実際に分解してみてあまりにシンプルな構造で、LEDヘッドライトがもう高級車だけのものではなくなったことを実感しました。
クロライトでは旧型PCX向けの交換式HS5 LEDヘッドライトを扱っています。
HIDに比べてグレアが少なめで、安定性が高くハロゲンよりも明るくなりますので、ハロゲンのまま乗っているユーザーさんにはぜひ交換をおススメします。
ぜひ当店商品ページをチェックしてみください。
PCXの純正LEDヘッドライトは実用レベルの明るさではあるものの、HIDの光に慣れている人には物足りなく感じることがあるようで、当記事へアクセスいただいている方の検索ワードを見ると、さらなる明るさの向上を望んでいる方も多いようです。
放熱対策さえできれば、リフレクタはそのままに、出力の高いLEDにごっそり交換する方法もあると思いますが、そこまでやる人はそうそういないでしょう・・・。
新型PCXを持っていたらチャレンジしてみたい気もします。
欧州で先行して発売が決まっているフォルツァ125が気になっているので、車両を買えたらやってみますかね!笑
ディスカッション
コメント一覧
PCXのLEDポジションを青色にできないかなぁと思いながらネット検索しているとHITしました。
そこで教えてください。
LEDの交換は難しいのかもしれませんがLEDそのものに色を塗ってしまえばカラーに発光しなかいな?と思っています。
しかし、書き込みを読ませていただいていますと、もったいない気がしつつも…とありますが分解するにはこじ開け覚悟なんでしょうか?ヘッドライト部は接着剤で中々外れないものなのでしょうか?
教えていただけると嬉しく思います。
コメントありがとうございます。
ヘッドライトは防水の為にブチルゴムでシーリング加工されていますので、ヒートガンやドライヤーなどで全体を暖めて
先端が細くて丈夫なヘラ状の道具などを使って分解することになります。
「ヘッドライト 殻割り」といったキーワードで検索いただくと、分解方法を紹介したページが多数ヒットするかと思います。
PCXに限らずバイクや車のカスタムの為にDIYで多数のユーザー様がおこなっていますが、レンズを割ってしまうなどのリスクもある作業になります。
ただハードルが高い分、カスタムに成功すれば他車との差別化ができますので満足度は高いかもしれませんね。
青色化の方法については、一番容易なのは市販のゴム状のキャップをLEDに被せてしまうことかもしれません。
キャップだと青色LEDそのものの明るい濃い発色は難しいかもしれませんが、このLED自体がそれなりの出力の物で発熱している可能性もありますので、塗料だと短期間で色褪せしてしまう可能性もあります。
新型pcxのライトって
どこで
入手できるんですか?
ヤフオクなどで中古を探すか、ホンダの販売店などを通してメーカーから購入するかになるかと思います。
是非殻割りの方法がみたいです!
コメントありがとうございます。
特別な方法ではなく、大きめの段ボールに穴を開けてドライヤーやホットガンで温度を上げて、冷めないうちに先の薄い道具でこじ開ける感じです。
「ヘッドライト 殻割り」といったワードで検索すれば写真付きのいくつかの記事や動画が出てくるかと思います。
破損する危険もありますので、自己責任でくれぐれもご注意ください・・・。
シーケンシャルウィンカーのLEDテープ(30cm)を純正ヘッドライトに埋め込みたいとおもっています。そこで分解した画像が見て見たいと思い検索かけて見たところ、ここのサイトがヒットしました!厚さ3㎜程、幅が40㎜ほどなのですが、うまく入りそうなスペースがありますでしょうか?